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2020-01-15

迎い入れた2匹目の子猫が猫白血病ウィルス弱陽性だった時に、朝まで眠らず考えたこと。

<この記事はこの件に関する方々のプライバシーに配慮して書かれています>

うちには飼って2年半になる黒猫が1匹いる。1人と1匹、生活はかなり落ち着いてきた。早朝ご飯を催促され、食べ終わると二度寝。スバルが眠る布団をそっと先に出ると、彼は何時間後かに眠気まなこでボォっと寝室から出てくるその時の表情が愛おしい。

昼間は「ご飯ちょうだい🌚🤲🏿」「まだ入ってる👿」、「遊んで🌚✊🏿」「さっき遊んだばっかりでしょ😩」の他愛のない攻防を繰り広げては、根負けしてふたりで追いかけっこをする。(ご飯は譲らない。)思い切り遊んだ後は、いびきをかいてまた眠る。寝息を聞きながらデスクワークをする時の静かに満ちる幸福感。

猫飼いの憂い、ウチの猫がワガママすぎる。

猫は淋しいから飼うのではない。酒は旨いから呑むのではない。

そんな安定した生活だけど、

・私が留守、外泊の時…お泊まりの時は頼もしいシッターさんに来てもらっているけれど、かなり寂しがり屋でかまってさんなので毎度申し訳ない。1日家を空けただけでも不満そう。

・仕事が忙しくて遊んであげられない時…すねてふて寝する。かわいそう。申し訳ない。

・噛み癖が酷い時…甘噛みレベルではあるものの、1日何度も注意するのが双方にとってどうなの?2年半気長に矯正してきたがなおる気配がない。

主にこの3つの瞬間のもどかしさが積み重なり、この数ヶ月2匹目を迎えたいと強く思うようになっていた。スバルの本当の気持ちは分からないが。。

こう書いてみると、人間の勝手な思い(申し訳ない、とか)だよなぁともやっぱり思う。自分の罪悪感を減らす為の選択なんじゃなかろうか。

実家猫の一部、仲良し。(左♀・右♂)

 

実家にいた頃は常に多頭飼いだったので、猫同士が仲良くなった時の豊かな世界の広がりは誰よりも知っている。反対に相性が合わず、喧嘩ばかりの組み合わせが残念ながら生じてしまうことも。。

それでも、もし上手くいけば今より確実に私にとってもスバルにとっても生活の質が向上することは分かっている。「上手くいけば」の話だが。

あ、この子だ!

その上手くいく確率を上げる為に、猫界で相性が良いとされる異性であるメスの子猫をのんびり探していた。

↓私がスバルの時もお世話になったサイトはこちら↓

ネコジルシ猫好きのためのSNSコミュニティ。里親募集で猫との新生活を応援!日記や写真でユーザ交流

猫であれば、種類も年齢も模様も性格も関係なくみんな好きだけど、やっぱり写真と募集背景を見ているといわゆるビビッ!と来るニャンコが不思議といるもの。

そんな中私は、九州圏内のとある島から募集している3ヶ月のサバシロちゃんにハッと目をひかれた。自分が島好きということもあるし、色白で可憐な印象の写真なのに「遊ぶの大好きで人も大好き」とあるギャップが気になった。会ってみたいと思い、思い切って応募してみた。年の瀬の話である。

お返事が返ってくれば良いくらいに思っていたら、翌日すぐに募集人の方から反応があった。交通費は自費だけど、私はその島にも行ってみたかったので年明け早々引き取りに行くこととなった。

憂鬱な実家への帰省の間、私はこの件のおかげで気持ちを前向きに保っていられた。

年末年始という1年の中でも忙しい時期なので、子猫ちゃんの受け渡しの時だけ顔を合わせるとばかり思っていたら、船を降りたところでなんと募集人の方が待っていてくださった。ニコニコ顔で、キャリーケースを持った初対面の私に手を振っている。

そしてなんとこのまま島を自家用車で案内してくれるとおっしゃるではないか!そんなおもてなしを受けても良いものなのでしょうか。でもここは素直に好意に甘え、時間が許す限り島内の主要な見所を見て回ることにした。

色々書きたいスポットがあるけれど、兎にも角にも海がめちゃくちゃに綺麗だった。沖縄より綺麗と言われているらしい。夏にもう一度行きたい。

 

思いがけず訪れた楽しい時間はあっという間に過ぎ、いよいよ子猫ちゃんが住む家に到着。縦横無尽に走り回るその姿を見て、見た目は可憐だけど中身はおてんばとすぐに理解。

そのお家は、小さな屋根付きのお庭がありドアを少し開けて数匹の猫が自由に出入りできるような環境だった。その子猫以外はみんな成猫だった。

暖色の照明に包まれた待合室で

帰りの船が出航する少し離れた港までお見送りをしていただき、一路福岡へ。子猫は直前まで走り回っていて疲れたのか航行中はほとんど鳴くこともなく、ずっと眠っていた。

▼隣の席にキャリーケースを置く。上にはタオルをかける。覗くとめっちゃ寛いでいた。笑 あくび〜

福岡に着いたのは18時過ぎ。まだ一度も健康チェックをしていないということだったので、その足でひとまずスバルのかかりつけの動物病院へ連れて行くことにした。体重やノミダニ、お腹の虫、感染症等々の確認だ。

一通り診てもらい、ウンチと血液の採取を行う。猫白血病と猫免疫不全ウィルス(エイズ)の検査結果はほんの10分程で出る。そのまま診察室で子猫と待つ。

しばらくして先生が戻ってきて、先にお腹の状態がかなり悪いという説明を受けていると、感染症の方は結果が出るのにあともう少し時間がかかるので待合室でお待ちください、と言われる。私は嫌な予感がした。

 

数分後、診察室の青白い蛍光灯とは違い、あったかいほのかなオレンジ色の光に包まれた穏やかな待合室で先生は言った。

「白血病の結果が【弱陽性】です。」

人間の妊娠検査薬と似た作りのテストスティックを見せられ、陽性の窓にうっすら線が出ていた。【疑陽性】とも言われるタイプの結果だ。

上手く状況を飲み込めず、というかきっと私は今起きていることを認めたくなくて、わざとらしい笑顔でいかにもこうなることを知っていたような素振りで先生の説明を聞く。

2ヶ月後の再検査で陰性に転じる可能性もあること、でもその結果はまた2ヶ月後に陽性に変わってしまうこともあること。

半年後の検査で陰性ならば陽性に変わることはほぼないので、最低でも半年は先住猫(つまりスバル)とは完全に隔離して飼わなければいけないこと。

そして陰転するか、陽性になってしまうかは総じて子猫の免疫力にかかっていること。

人間にできることはないかを尋ねると、栄養の良い食事とストレスのない生活を送らせてあげることしかない、と言われた。

 

私は半分絶望していたけれど、もう半分はどこかでまだなんとかなる、スバルと一緒に暮らしていけるだろうと信じながら小雨の降る冬の冷たい夜道を、重さこそ軽いが尊い命が健気に輝いているのをひしひしと感じるキャリーケースを持って、スバルの待つ家へと向かい歩き始めた。

でも、これまでの浅はかな私の知識と経験がその根拠のない楽観を、ものすごい質量を持った何か暗く大きなものでみるみるうちに飲み込んでいった。

現実を直視しなければならない。

無知と過信

猫の白血病は唾液、鼻水、糞便で感染することがある。エイズは血液などもっと深い部分で感染すると言われているのに比べると、白血病は気を付けないといけないことが多い。もし半年後陽性の場合、生涯2匹を同じ部屋で飼うことはできない。

そしてもし半年後晴れて陰性だとしても、【半年間は完全隔離飼育】するという事実は変わらない。

うちは1LDKなので、狭いながら一応一部屋ありそこを寝室にしている。なのでこの部屋で隔離して子猫ちゃんを飼うことは不可能ではない。半年間限定だったら、子猫とスバルにはちょっと窮屈な思いをさせてしまうけれど、飼えないことはない。

だけど問題は、それが半年で終わるか今の時点では分からないということだ。そしてもし隔離生活が生涯続くとなると流石にそれはみんなが幸せな状態とは言い難い。。

もちろん陰転する可能性だってある。私は正直なところこの子猫ちゃんの元気ぶり、明るさぶりを見ているとこの子は白血病をはねのけると思った。

だからこのまま飼い続けて、半年後スバルと対面させる日のことを何度も何度も想像した。

それでも、今回最大の反省点である私の認識の甘さをまた露呈させる訳にはいかない。。

混乱しながらではあるが、とりあえず募集人の方に無事に着いたことと、病院の検査結果を努めて粛々と伝えた。その日の夜はまだ何か良い方法があると思いたくて「経過観察していきます」と私は意気込んでいた。

子猫ちゃんと2匹で眠れるようにと、一回り大きい猫ベッドを新調してその日を待っていた。

その広い猫ベッドに悠々と長まるスバル。これを買った日以来お布団にもぐってこなくなり大のお気に入りに。

寝る前に猫の白血病について調べた。現実を直視した瞬間、心臓をえぐられるような胸の痛みに襲われる。物凄い不安感と虚無感でしばらく身動きができなかった。私は我慢できず声を上げて泣いた。

それは子猫の運命に対する涙でもあるが、陰転する可能性を信じているのでそちらに対する涙というよりも、自分に対する悔しさへの涙だった。

なぜこの世界には、猫や人など生物に対してこのような理不尽な病気があるのだろうという、やり場のない怒りも含まれている。

実は、これまで実家で飼っていた猫(全て元ノラ)や保護をして里子に出した子猫たち含め20匹近く、一度も感染症にかかる猫はいなかったのだ。

だから私は保護猫でも感染症にかかっていることはないだろうと過信していたのだ。

誰が悪いとかじゃない

現在ネコジルシなどにも多く掲載されている保護された猫を里親に出す活動は、猫ブームも追い風となり活発だ。しかしそういった保護猫団体から無事里親に決定となるには、実際のところかなりハードルが高い。

ペット可住宅、完全室内飼いが大前提なのは分かるが、単身・高齢者不可だったり男性のひとり暮らし限定で不可にしているケースもある。(動物虐待防止の為らしい‥)

あとは籍を入れていない同棲カップルや学生不可など。分からなくもないが、狭き門である。(自分に万が一何かあった際は、その後猫を飼ってくれる後見人を立てればOK、という譲歩案がある場合もある。)

でも一方で、団体から里親に出される子たちは費用は基本こちらが負担ではあるが、感染症検査済みで陰性、ワクチン接種済み、月齢が達していれば避妊去勢手術までしてもらった状態で譲渡できることが多い。

 

自作子猫ケージ。中にホットカーペットを敷き、猫ドアも付けた。一度も入ってくれなかったけど。笑 普段寝室にストーブは置いていなかったけど、この時ばかりはVIP待遇でぬくぬく。

白血病は免疫力を高める為に体温が下がらぬよう、過ごす環境をしっかりと温めることが大切。

そんな訳で、私は基本的には団体ではなく個人で保護した子猫を中心に見ていた。となるとどうしても、未検査の子が必然的に多い。そして私の愚かな過信の結果、今回このような状況になってしまった。

その日の夜は疲れていたにも関わらず(前日も引き取る興奮で眠りが浅い)、結局朝方まで眠れなかった。子猫は夜中もとっても元気だった。

翌朝、募集人の方から短い返信があった。

「気付かなくてごめんなさい。先住猫ちゃんに移ったら大変なので、引き戻させてください。今度は私が引き取りにそちらへ伺います。」

奇跡のツーショット(窓の網戸は閉めています)

まだ子猫ちゃんを飼い続ける方法がないかと思い迷っていた私だったが、正直に告白するとこの時ホッとした自分がいた。決してその安心感は「飼わなくて済む」というものではなく、自分から言い出すのが忍びなかったので募集人の方から提案してもらえて、気持ちが楽になったという安心感だ。

だけどそんな自分を不謹慎にも感じたし、この子と離れたくなくて寂しいと思ったが、先住猫がいる場合やはりそれが最善の選択だ。。

このタイミングで出た大〜きな虹。大橋の上に優雅に掛かった。2年住んでいて初めて見た。きっとこの子は治る。

もしスバルをまだ飼っていなくて、この子が1匹目の初猫だったとしたら私は迷わず飼い続けた。陰転するように私ができることは全てしたし、たとえ陽性になってもこの子が命を全うするまで全力でサポートしただろう。(たとえキャリアでも発症しない子もいる!)

思うにこの子は、自分の運命を知っているかのようにズバ抜けて可愛く、人懐っこい。耳と目が大きく、横顔が美しい。アイラインくっきり。口を開けると見える、左の下唇のホクロがセクシーさをも醸し出す。毛質は驚くほどフワフワ。長くて細い真っ直ぐなシッポ。完全なる無敵の美猫だ。

私が見てきた子猫界の中でもトップクラスだ。常に大音量でゴロゴロ言ってる。(病院にいた時ですら)鳴き声がキュートすぎる。私を見た時にパッと浮かべる嬉しそうな表情。部屋に入るとすぐに駆け寄り体のどこかに身をくっ付けて、大きな瞳でクルクルとこちらを見つめる。

そうかと思えば、オモチャで遊ぶ時の野性味あふれるガツガツ感とのギャップがなんとも魅惑的。。

そうは言っても、先住猫であるスバルファーストを貫く他なかった。2匹とも失うという最悪のシナリオだけは避けたかった。

笑って手を振る、なんてできない

2日後、募集人の方がわざわざうちまで来てくださり、生まれ故郷の島へと子猫は帰ってゆきました。タクシーを見送る時も私は号泣してしまい、白日の中うつむいて泣きながら歩いた。大の大人が泣きながら道を歩く姿は、さぞかし奇妙に映ったことだろう。。

帰った後夕方レッスンがあったので、大急ぎで子猫グッズを片付ける。嗚咽を漏らしわんわん泣いた。こんなに泣いたのはかなり久々だ。スバルがあっけにとられていた。

寝室の扉をそっと開けてもそこにはもう天使がいない。。たった数日でもこの存在感。本当にすごい子だ。この数日で目薬と鼻薬をがんばってくれたので、目ヤニと鼻水は快方に向かいつつあった。初日よりだいぶ調子が良い。

ずっと下痢だったが、朝晩とご飯に混ぜた整腸剤も残さず食べてくれてたので少しずつ固まっていた。初日の夜は透明の液体を3度も吐いたのですごく心配したが、それ以降はなかったので良かった。

私の心にはポッカリと穴があいた。そもそもは認識の甘さがいけなかったので、だいぶ自己嫌悪にも陥った。ひとりで自滅して馬鹿みたいって何百回も思った。

それでも少しずつ気持ちが落ち着いてきて、今回この記事を書けるまでになった。心の整理の為にも書こうと思った。そして同じ状況にある人のお役に少しでも立てればと思う。

永久の問い

人も猫も、幸せは自分が決めるんだなと思った。子猫ちゃんは島の大自然と大人の猫さんに囲まれて、半分外、半分家の気まま生活を送る。そこにはママとパパもいる。ご飯にも困らないだろう。

安全な我が家で、ちょっとオラオラなスバルと溺愛飼い主の元の生活と、どっちが幸せかなんて子猫にしか分からない。もしかするとどっちも幸せなのかもしれない。

そうそう、私はかねてから生体販売のペットショップには否定派だったけど、感染症とはある程度距離があるのでその意味では良い部分もあるねと見直した。でも全体的・長期的にはやっぱり反対ですが。。違った角度から物事を見られるということはどんな時も大切だ。

 

年始からこんな出来事があったので、気付けば1月も半分が過ぎてしまった。恐怖。

このブログを続けて読んでる方に弁解ですが、ひとり旅行記はこんな理由で滞っています。笑 年内書き上げの目標は達成されず。はは。。

6千字超となったこの記事をここまで読んだあなたは、軽い短編小説を1つ読んだくらいのボリュームです。お疲れ様でございました。そしてありがとうございます。

今現在2匹目を飼いたい気持ち自体は消滅しておらず、感染症のない♀の子猫ちゃんを探すとなるとハードルは高いですが、運命の出会いを気長に待とうと思います。そしてゆっくり、今回のことを自分の中で消化していこうと思います。

子猫ちゃんの幸せを願いながら。




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