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2019-07-12

【長いです】毒親育ちで子育てが苦しい人へ。と言いつつ、なんとなく生きるのがしんどい全ての人に読んで欲しい。

タイトルからしても育児書のカテゴリだが、私は完全に自己理解、自分と向き合う為に手に取った一冊。時に筆者や、カウンセリングに訪れた方が流す涙と一緒に、私も涙しながら読み進めた。

心の底から読んで良かったと思える本。内容さることながら、この本のいいところは平易な文章で書かれているところ。医師である筆者はバキバキに専門用語を使って書くこともできるはずだが、きっとたくさんの人に読んで欲しいことを願ってそうしていないだろうことは「一読」瞭然。

「子供を信じること」(さいはて社)

著:田中茂樹

何かに裏切られ頑なになった時のような子供の表情が印象的な表紙。この子が、心の何処かにまだ棲み付いてる人って少なくないと思う。

この本はできれば、子育てを経験する前の、ちょっと生きるのが苦しい全ての人にこそ読んで欲しいと思う。子育てが始まってからでももちろん良いのだけど、その分自分も子供も不安で苦しい時間が増えてしまうので。

もちろん、そんな自覚のない人にも手に取って欲しい。要するにみんなに読んで欲しい!笑 必ず何かしらの気付きがある。

私がこの本を読んで得た気付きは大きく3つ。1つずつ紹介する。コンパクトに伝える為に接続詞等を省略しつつ、著書の文章を多く引用するが、本来の意味は損ねない程度に止めている。斜線してある箇所は引用です。

①学歴より何より大切なのは、生きることを好きになること

●子供の頃のゆったりした時間に、遊んだり、ぼーっとしたり、何の役にも立たないことをする、親に優しく受け止めてもらって過ごせることは、その子供の人生の重要な基盤になる

●自分が幸せだと感じる人生、生きることが好きと感じることが学歴より何より大切

●極端かもしれないが、生きることが好きな子供が大人になった時に、どんなに苦しい状況に追い込まれても例えば自殺という選択肢は取らないと思う

*

薄々そうではないかと思っていたけど、そういう主張をする専門家がいたことに私は救いを感じた。私が特に納得したのは、子供の頃にゆったりとぼーっとする時間が、長い目、広い視野でみると人生の大切な基盤に繋がるということ。

精神的に安定した大人になると思う。家庭は、安心してリラックスできる場所であって欲しい。この時代を生き抜くには、色々と必要なことがあるのは確かだけど、何はともあれ自分が好きなこと、生きることそのものが好きだと無意識下に種を蒔くことが一番大切。

②話を聞かない人には、そもそも話をしなくなる→自分の感覚すら麻痺してくる

●子供が話をしないのは、親がちゃんと聞いてくれると思えていないから。

●親の考えややり方に異議を唱えることがそもそも許されておらず、意見を述べてもほとんど聞いてもらえないという状況に置かれている。

どう頑張って自分の気持ちを伝えようが、悪い意味で親は揺るがないと感じている。そうなると子供は、親の心を動かす為には暴力に訴えるか、自傷行為(リストカットや拒食・過食、非行)しか手段がなくなる

●あるいは辛い、苦しいと感じることさえできなくなっている場合もある

●命令や注意をされないと思うからこそ(信頼している・されているということ)子供は親に自分の思いを話す気になる。

*

当然といえば当然なんだけど、これに尽きると思う。初めから諦めざるを得ない。どうせ言っても、泣かれてねじ伏せられて喧嘩になると分かりきっている。子供ながらに、無駄な労力は払いたくないと思うだろう。

それでもどうしても主張したい何か(それが何かすら子供自身気づかないこともある)があると、暴力や自傷行為に至るんだろうなぁ。

そんなこんなをしているうちに、子供は自分の感情にそもそも気付かないようになる。なぜなら、気付かなければ主張できないという苦しみを味わわなくて済むからね!感覚を拾うことをいつしか辞めてしまうんだなぁ。。

③自分より相手を優先し過ぎる癖は、後々人間関係でトラブルを起こしやすい

●厳しく躾けられた子供は、しばしば相手の気持ちや場の空気は読めるが、肝心の自分の気持ちが分からない

●嫌な食べ物を嫌と言えることやその希望が聞き入れられる体験を積むことの方が子供には重要だと考える。自分で決める自主性を大事にすることの方が、長い目で見るとずっと大切。

●子供の頃に親に一方的に抑え込まれ、言うことを聞かされて育った人は、大きくなるにつれて、親以外の相手との関係でも色々と問題が起こってくる。

(それはなぜかと言うと)自分の事情や気持ちよりも、相手の要求を優先する癖のせいで、対人関係に問題が生じやすいからである。

●幼児期に、本当は怖いのにそれを口にすることが許されなければ、将来大きな問題を引き起こす可能性がある。相手に嫌だと伝えることや、痛みや怖さから自分を守る力が育っていないと、いじめの対象になりやすいことも想定される。

また、仕事や家庭における相手との関係で、自分の不満や苦痛を伝えることが不得意な人になっていくことでしょう。

*

納得する部分がありすぎて太字だらけで読みにくくスミマセン。笑 こういう育ち方をすると社会に出た後、得るものもあるけれど、失うものもある。というか後者の方が、大きいだろう。

どこかでこの因果関係に気付かないと、親からの影響はもうないはずなのに、自分で自分を傷付ける一方。破綻してしまう。その前にどうかこのことに気付きますように。まずは気付くことから。話はそれから。

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では具体的にどうすればいいのか?

大きく3つ、紹介しました。以下紹介しておきたい文章。

●親が常に何か不満を持っているような場合は、それらに共感したり慰める役割ばかりが与えられる

●子供が親の気持ちを汲むのではなく、親が子供の気持ちを汲んでやることが大事

*

親にはハッピーでいて欲しい。自分で自分を幸せにする方法を、1つでも多く学んでおきたいところ。自分の機嫌は自分で取ろう。

●子供は、自分の誇りの為に常に上手くできるようになりたい、と思っている生き物

●小言を言い続けると、子供の自尊心や積極性を育て損なってしまう。医師として、カウンセラーとして強調しておきますが、育ち損なった自尊心や積極性を回復するのは、本当に難しく大変なこと。

*

やっぱりそうですよね。並大抵の努力では回復できません。でも、不可能ではない!ゆっくり一歩ずつね。

●「まだまだ頑張れる」という励ましよりも、「頑張らなくてもどこにも合格しなくても、あなたがいてくれるだけでお母さんやお父さんは何もいらない」とはっきりと伝えてあげること。これが子供を元気にする言葉。

こんなこと言われてたら、きっと泣いちゃう😭笑 ただ思ってるだけでは足りない。何度も言葉にして、目を見て伝えることが本当に本当に本当に、何よりも大事だと思う。

他に、この本を読んだ方に人気なのが「アイスクリーム療法」。とってもシンプルです。大量のアイスを買い込み、冷凍庫をアイスでいっぱいにして、子供にいつでも何個でも食べていいよ、と言うのです。これだけで親・子供の両方に良い変化が現れるのだとか。

これは子育てだけじゃなく、大人になった自分を自分で思い切り甘やかす(寝まくる、何もしない、時には欲しいものを思う存分買うなど)というのでも、良い効果がありそう。

信じるために信じる

最後筆者は、以下のような言葉で締めくくります。

●結局のところ、子供を信じるということは、かつて子供であった自分を信じること、そして、今の自分を信じることであると、私は思います。

*

これは、カウンセリングを受けに来たある母親が「先生のおっしゃることはよく理解できます。しかし自分の幼少期、親にそのように接してもらった経験がないので、時々言いようのない不安な気持ちに襲われて苦しい」と訴えるのです。

でも(これは私も残念)筆者はその時、その方にはっきりと何か言葉をかけることができなかったそう。その上で、上記の文章です。

つまるところ、そういうことなんだと思う。子供や、大切な誰かを信じるということは、過去の自分、小さかった時がんばった自分を信じる、これに尽きるんだと。

さいごに

いかがでしたでしょうか。もしかすると、本を実際に読まなくてもいいくらい、大切なことを紹介しきった記事となったかもしれません。

私は、今自分が生きづらいと感じる理由・原因に興味があります。まぁそれは親が毒親だったから、とハッキリしているのですが。笑 でもその中でも詳しく、どのような言動が子供の成長に影響していくのかに興味がある。逆に、どうしていたら精神的に安定し良好に育つのかにも。

今子供はいないし、今後産むのかどうかすらまだ分からないけれど、その辺を自分が納得するまで学んでいくことは、今の自分の心の為にすごく大切なことだと思っている。

厳しい親や過干渉な親に育てられた友人が、「子供にきっと同じことをしてしまう気がする、怖い」と言っていた。私はそれだけはしないで欲しいと切に願う。負の連鎖はどこかで断ち切らないとならない。その為には自分で自覚し、ある程度努力をする必要がある…。

おまけだが、

「子どもの脳を傷つける親たち」 (NHK出版新書)

著:友田明美

この方の研究が広く知れ渡り、親の子供への不適切なかかわり(マルトリートメント)が医学的に脳のある部分を傷付け変形したまま成長することが今や証明されている。

「暴力的な虐待だけでなく、無視、放置、言葉による脅し、威嚇、罵倒、そして子どもの前で行われる夫婦喧嘩も含まれる」のだ。その結果「学習意欲の低下や非行、うつや統合失調症などを引きおこす。」

*

自分だけを責めないで欲しい。だからと言って、親や養育環境のせいだと開き直り、自分で自分を救うことを諦めないで欲しい。

世界はあなたが思っている以上に広く大きい。価値観は1つではない。それ故面倒なことも多いが、どうか視野を広く持ち、自分で自分を守り、癒して、救っていって欲しい。

今私は生きることが少しずつ楽しくなっている。ここまで読み進めてくれた人にだけ言うと、それでも毎日波がある。その波の周期も様々だ。完全に心が晴れ渡っている日なんて、1年に数日あるかないかだ。

20代前半までは、寝る前によくこのまま明日目が覚めませんように、と思った。その発作が正直今でもあることを認めよう。どうしたって不安定なのだ。

*

だけど、私は生きることを好きになるのを諦めたくない。なぜなら、世界は美しいから。それを知っていることを感謝したい。そのことだけでも知れたのは、今まで私が関わってきた人たちのおかげだと言える。

生きていると出会いがある。自分が望む望まないに関わらず。トラブルも発生するが、その出会いの中で、私は世界がどんな色とかたちをしているのか知ることができた。

この記事を読んだ人も、人と会うのが怖くても、ネットからでも良いので少しずつ知れることを心の底から願い、この記事を終えることにします。




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