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2019-06-16

①女ひとり旅【6泊8日パリ・ニース・バルセロナ】旅立ちのワケと常識を押し付けたくないなの話

本当は、福岡で働き始めた職場を2018年9月に辞めた直後にでも、私は飛んでしまおうとずっと目論んでいた。だけどそれは、辞めた後の自分の体調や、その他諸々金銭的な事情や、その時優先したかったことのあれこれで実現しなかった。

ようやく全ての歯車が合い、晴れて福岡空港から大韓航空に搭乗できたのは2019年4月、約半年後のこと。確かに歯車はようやく回り始めていたのだけれど、その実私はものすごい閉塞感に毎日襲われていて、じっと、じっと、その圧迫死しそうな重く厚く密度の濃い空気が変化するのをただ、ただ、待っていた。

ひとりで行動することは、物心が付いた時から苦ではないと言うかむしろ好きなタイプだった。だけどこの旅は、完全にひとりではなかった。緊急連絡先みたいなものに親の名前は書かず、一番大切な人の、まぁ要はなんの血の繋がりもない他人を書いていた。

ひとりだけどひとりじゃない旅

その時フランスは、黄色いベスト運動で毎日のように死傷者が出るような激しいデモが起きていた。相変わらず世界の情勢は不安定で何度もテロが発生しているような国々、

奇怪な事件ばかり起きる日本とはまたステージの異なった危険が溢れている土地に行くということで、私はなるべくInstagramのストーリーズ機能を使って意識的に自分の居場所が分かるようにしながら、旅を進めることに決めていた。

そういう意味で、完全にひとりではなかったと思う。常に何かを発信しながら旅をしていると、孤独にはならない。手持ち無沙汰な時間だってもちろんあるのだが、そんな時こそ発信の時間だった。

既にフランス・スペインひとり旅の裏話、これを書いているけれど、帰国して2ヶ月が経った今ようやくもう少し順を追って、詳細に旅の記録を書く気分になった。インスタではちょこちょこ写真付きで投稿していたけれど、私にはやっぱり文章だ。

大切なものごとは、ゆっくり時間をかけて、しっかりと消化したい。

フライトの楽しみ、機内食

大韓航空は、機内食が美味いという事前情報を得ていたので、狭いエコノミー席にて唯一楽しみにしていた配食タイム。極上に美味い!という訳には流石にならなかったが、それなりに美味しく、韓国料理が散りばめられていて大いに楽しめた。

また、ピコレーザーの記事でも記述の通り大韓航空のCAさんたちの美しさにもひとり萌えていた。元々韓国アイドル好きということもあり、間近で接する彼女たち(男性CAさんもいてイケメンだったので目の保養に。)から美しさの元気を頂いた。

意外だったというか、単に私が無知なだけなのかもしれないが行きも帰りも、たまたま隣席になった多分私より若いカップルたちが、結構な勢いでウィスキーロックを筆頭に、グイグイ酒を頼んで飲んでいた姿が印象的であった。これにもにわかに勇気付けられていた私であった。

入国直後から早速降りかかった3つの受難

さて仁川空港経由で乗り継ぎ含め約10時間超のフライトを乗り越え、ようやく降り立ったシャルル・ド・ゴール空港。途轍もない広さだった。直後私に3つの受難が降りかかった。

受難その①

ロスバゲにも合わず無事スーツケースを取り戻し、出国審査を終え、ほっとしながら出口に向かっていると突然コワモテの空港職員に私だけが呼び止められ全く聞き取れない英語で、何かを言われ続ける。

一向に意を介さない私に次第にイラつく職員。人のイラつきに人一倍敏感な私はすぐにそれを察知し、ますます怖くなる。

最終的に指差し会話帳みたいなものの韓国語ページを見せられ、私は日本人だよと言うと哀しいかな急に優しくなり、関税申告についての有無を言わされただけだった。

 

これは結局、現地のオプションツアーで出会ったフランス人が教えてくれたのだけど、無作為なピックアップらしい。よく日本の街中でも道を尋ねられたりする性が、めでたくフランスでも発揮されたようだ。

受難その②

ただ水を飲みたいだけなのに自動販売機がどうやっても使えず喉カラカラ。

受難その

オペラ座まで直通というロワシーバスに乗る予定でいたのだが、事前情報を継ぎ接ぎしたその予想の1/10くらいの地味な乗り場でなかなか見つけられず。(依然喉カラカラ。)

殺伐としたフランスの空気感に妙な安心感

もちゃもちゃしていたらあっという間に1時間以上が過ぎたように思う。ようやく乗れたロワシーバス。前に座っていた久々に再会したらしい日本人中年カップルが、ブチュブチュと音を立ててキスをするので辟易した。

絵になる/絵にならないの境目はこうも残酷だ…。(それは美醜の問題ではなく直感的なものなので説明が難しい)地味に受難その④。笑

空港付近の殺伐・荒涼とした風景が幼い頃からなぜか心を奪われてきたが、国が違ってもその心は同じだった。すっ飛ばす車たち、建設途中の建物にクレーン、曇り空。いいよ、いいよ、これがリアルだ。これもフランスだ。

みんなが憧れるような美しいフランスにも、ちゃんとこういう(世界共通であろう)殺伐・荒涼とした景色があることに、私は逆に安心感を覚えた。

街中に入ると徐々に花の都っぽさが覗いてきた。あ、空が広い…。

ガッツと野生の勘 発動

ようやくオペラ座に着き降り立ったパリは緯度が高い為空はまだ明るかったが、その時既に20:30が過ぎ外気温も確か10度くらいですごく寒かったことを覚えている。Googleマップだけを頼りに、字の如く気合だけで今にして思うと奇跡と呼べる野生の勘で、なんとか予約していたホテルに辿り着く。

…の前に近くのスーパーで水、ビール、チップスを購入。ビールはなんだったかなぁ。写真を撮らなかったのが悔やまれるけど、日本では見かけないフランスか、その近辺で作られたビールだったように思う。

ヘトヘトに疲れていた私は、ビールロング缶1本だけを飲み、チップスを掻き込み、幸いバスタブ付きの部屋だったので全身むくみにむくみきった体を少しでも労わるべく、風呂に入りその日の夜は静かに更けていった。

トイレットペーパーの位置が日本人としては理解に苦しむ。が、仕方ない。

半径1mですら思い通りにいかない世界に観念しよう

鍵は重く大きい。フロントに預ける為、もしくは失くさない為にこのスタイルなのでは。バルセロナでもこのタイプの鍵だった。

郷に入らば郷に従え。多少の不便には物怖じしない。言葉が分からなくてもなんとか別の方法がある。旅行サイトの日本人の口コミで、これらのことを痛烈に批判する人々が一定数存在する。まぁ確かに不便だけど、ここは異国だよと。

こちらの常識を相手に押し付けてはならない。というか思うに多分そういう人たちは国内でも文句を言ってそうだ!でも、そういう人の方が生きやすいのかなぁ。はっきり主張をすることが不得手な私は、そういう人の強さ(厚かましさ?笑)に少しばかりの憧れがある。

私は今やミニマリストで、自分の部屋や思考くらい、自分でコントロールしたいなと思うけれど、それでも難しいことはたくさんある。

というかきっとそれが世の常なのだから、そのことを忘れずにいたい。自分の半径1mですら思う通りにいかないのに、自分自身のことを誰が操縦できると思うか?暴走する感情や思考は、時に自分を傷付けるのである程度のコントロールは必要だけど、それが行き過ぎてもまた辛い。

最近のスバル。窓の外をじっと観察。

だからちゃんとガス抜き、しようね。Take it easy。

▽続き

②女ひとり旅【6泊8日パリ・ニース・バルセロナ】ここにいる理由。恐怖と不安の先にある最高の景色

③女ひとり旅【6泊8日パリ・ニース・バルセロナ】忘れかけていた自分の原点

④女ひとり旅【6泊8日パリ・ニース・バルセロナ】自分が考える100倍は、世界は広く自由。

⑤女ひとり旅【6泊8日パリ・ニース・バルセロナ】それは恋に似ている。存在と時間が本物であることを証明するとき

⑥女ひとり旅・最終話【6泊8日パリ・ニース・バルセロナ】大抵のことは何とかなります。命に関わらない限りは。

▼特別だよ?

フランス・スペインひとり旅の裏話

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